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2021.06.28 12:00 PM 投稿:by スタッフ@さるハゲ
紙つぶて第二十三回「夢の飲み屋」
さて、この連載も今回で最終回だ。 
読み返してみると、全般的にエラソーなことを言おうと力が入ってた気がする。 
バランスをとるためでもないけど、最後は役にも立たない自分の夢の話でも書こうかと思う。


皆さんは夢の中で何度も行く場所はないだろうか? 

ボクの場合それは一軒の飲み屋だ。 

一階が大きなガレージで、その奥の真っ暗な空中にぶらさがる、折れ曲がった階段を上がっていくと、いつのまにか薄暗い店内だ。 
人の多いわりには静かで、まったりとちゃぶ台を囲む和室があり、奥にはミニシアターみたいなスペースもあり、気がつけば勉強机の置いてある子供部屋にいるし、まるで迷宮のようだ。 

ボクがその店に来るのはいつでも何かが自分を待ってる気がするからだ。 
探しているのは人のような? あるいは新たなインスピレーションのような? 
とにかくフラフラと何かに出会える期待と不安でウロウロしている。 

なぜくりかえしそんな夢を見るのだろう? 
飲み屋で探し物をするということは、酒で自分の殻を破れば、この歳になってもまだ何か大切なものが見つかると意識の底で思っているのだろうか? 
だとしたら夢の中の自分はまだおきらめてないのか(笑)。 

その店は大通りから二本くらい入った薄暗い一方通行に面していたはずだ。 今夜あたり久しぶりに一杯やりに行きたい。 

中日新聞 夕刊 2020.6.29 掲載
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