友人と「最近リアルな絵が人気あるみたいよ」という話になった。
見せてくれたチラシの絵は確かに現実かと思うくらいリアルだった。
しかし昔から写真みたいな絵はあるし、僕らが若い頃もエアーブラシを駆使したリアルな絵が流行していた。
今のリアルは昔のリアルと違うのだろうか?
そんなふうに絵を眺めてると、なんというか昔に比べ絵を構成している粒子が細かい感じがする。
ははー、これは解像度が違うのではないか?
技術の進歩で急速に画像の解像度が高くなった。確かに昔の写真はボンヤリしてると感じる。
ハッキリした写真に慣れた人間が絵にも解像度を求めるようになったのか?
ゲームも昔のドット絵は、今はさすがにキツイ。
解像度は密度だ。だとしたら音楽にも「解像度」の変化を感じる。
昔の音楽を聴くと音と音の隙間が空いてるように感じる。最近の方が隙間と言う隙間に音が複雑に詰め込まれている感じだ。
人間の付き合い方も昔の雑な粗な感じよりいいか悪いか別にして「解像度」が高くなっているかもしれない。
これは技術や社会が進歩したのだろうか? あるいは人間の方が進歩したのだろうか?
そしてこのまま進歩していくのだろうか? いや?
一九八〇年代、スーパーリアリズムの次にはやったのはヘタウマだった。
もうすぐまた自分たちの時代がやってくるかもしれない!?
中日新聞 夕刊 2020.6.15 掲載